季節の色の風物詩「藍色」

ファッション

残暑御伺い申し上げます。瞳コンシャスカラーアナリストの湯浅智子です。

「季節の色の風物詩」についてお伝えします。

 

小泉八雲が見た「青」

今回は「藍色」について。

ギリシャ生まれの随筆家 、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。

日本研究家としても知られる彼が、明治時代初めてみた日本人について

「青い着物を着てにこにこしている小さき人々」と綴っています。

 

八雲が見た「青」とは「藍色」のこと。

藍という植物で染める藍色は「ジャッパンブルー」とも言われ、

染色の世界では人気の高い「緑がかった青色」です。

 

日本では昔から「浴衣」や「暖簾」「手ぬぐい」などに使われ、

夏を代表する青として親しまれてきました。

 

特に浴衣は、昨今はカラフルな色合いのものも多く出回り華やぎが増していますが、

藍染の浴衣は紺地に白抜き模様、白地に愛染の紺の模様といった配色が定番で、

その紺と白の対比の美しさと他に色を交えないシンプルさゆえに「粋」とされてきました。

 

今年は浴衣を着て出かける機会が激減していますが、

蒸し暑い日本の夏には欠くことができない「装いの夏の風物詩」なのです。

 

色の濃さで色名が変化する藍色

夏空の一日の色の変化は、真っ白い布に少しずつ藍色を足して染め上げていくそれに似ています。

夕方少しずつ心地よい風が吹き、夕日が沈みかけると、

その沈むスピードに合わせるかのように夏空は徐々に青の深みを増し、

やがて濃い「藍色」に変わって行きます。

 

青系の殆どを生み出してきた世界最古の「藍染」。

その染色液をくぐらせるたびに青の濃さが増し、

薄い藍色から暗い藍色まで微妙に違う藍色のグラデーションを生みました。

 

 

「かめのぞき」、「浅葱」、「縹」、「納戸色」など、様々な濃さの藍色が生み出されました。

 

「浅葱」は、藍染の中では薄めのやや緑がかった青です。

私はこの色名をさだまさしさんの「精霊流し」の歌詞で知りました。

 

「紫紺」はまさに夏の夜空の濃い青。

私の浴衣はこの「紫紺」という色地の藍染に白抜きのツバメ柄。とても気に入っています。

 

実は、浴衣模様にはいろいろな意味合いがあるんですよ。

身にまとうだけでなく街中でこれらの柄の浴衣を見つけたらラッキー!という柄もあるのです。

次回は浴衣の柄についてお届けしますね。

 

どうぞお楽しみに。

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